「プライベートを大切にしたい私にはサービスエンジニアは向いている?」
こんな疑問にお答えします。
社会人として働く以上、仕事の時間だらけよりもプライベートの時間を確保したいもの。
耳馴染みの無い職業はイメージが着かず、転職や新卒入社予定の方は「ブラック労働させられるのでは?」と不安になってしまうと思います。
私自信”サービスエンジニア”という職業は求人票を見て初めて知りましたし、実際の業務のイメージは付かないまま就職しました。
イメージ付かないまま就業した私の結論から言うなら残業が増えやすい職業なので、ブラック労働の様に感じる事が多いです。
この記事を読むことで、どの様な点がブラックなのか具体的なイメージを持っていただけるかと思います。
実際に私は20代前半にサービスエンジニアを辞めましたから。
サービスエンジニアは時間外労働が多い?主な理由3つ。
端的に言えば残業が非常に増えやすい理由があります。大きな要因として以下の3つです。
- 修理 / 点検が終わるまで帰れない。
- 顧客の業務終了後にメンテナンスを始めることがある。
- 会社によっては休日含めて24時間サービス提供をしていることがある。
それぞれの理由を順番に深掘りして解説していきます。
修理や点検が終わるまで帰れない
例外もありますが、基本的には顧客の装置が直るまで帰れません。修理/点検に時間がかかる要素としては以下の通りです。
- エラーが再現せず、原因が判明するのに時間がかかる。
- 設計構想に問題があり、該当する部品を交換するの手順が複雑で時間がかかる。
但しこの件は経験を積むことで効率的な手法を編み出し、キャリアを重ねることで残業時間は減る事が多いです。
顧客の業務終了後に修理や点検作業を始める事がある。
修理/点検を始めるとお客さんは装置を使えません。
医療機器に於いては医療行為を止めてしまいますので、業務の始まる前か終わった後、若しくは休日中に装置のメンテナンスを要望されることが多いです。
特に故障の場合は迷惑を掛けているのはメーカー側である事が多いので、交渉の余地が少ないのも辛いところです。
作業が終わった頃には朝日を拝んでいた、なんてことも全然あります。
価値提供としての『休日&24時間対応サービス』
修理/点検サービスは形の無い商品として提供できる商材の一つ。
競合他社との差別化できるセールスポイントなので「何があっても手軽に呼んでください」と製品を売ります。
ユーザーの立場からすればアフターサービスの体制が整ったメーカーが安心できますが、その皺寄せは我々サービスエンジニアに押し寄せます。
その為、サービスエンジニアは週替わり等の当番制で休日に出動する事があります。私が経験した会社の1つに土日祝日に営業所待機を命じられたところもありました。
ブラックな理由だらけ。。。それでも働く理由とは?
ネガティブな情報のオンパレードで「こんな仕事じゃ働きたくない」と思われることと思います。しかし実際は勤続年数と共に時間外労働が減っていきます。要因としては以下の3つになります。
- 修理技術習得による労働時間短縮
- 製品知識習得による労働時間短縮
- 顧客との信頼関係獲得
- 他部署の成果
順番に解説します。
修理技術の習得による労働時間短縮
製品の修理には大きく分けて部品交換と調整があり、それぞれ決められた”修理マニュアル”が存在します。初めて行う作業に関してはマニュアルを頼りに作業して確実性を高めますが、経験を重ねると自然に身についていきます。
この覚えると言う意味は手順の記憶以外にも、調整時の力加減、作業上の注意点等々様々です。
自覚が無い内に自分の作業精度が高まっていきます。
製品知識の習得による労働時間の短縮
装置への理解が深まることでトラブル発生から解決まで非常に早くなります。
実際の具体例としては以下の通りです。
- トラブルシュートの電話にて指示を出すだけで解決。
- トラブルか仕様が分からない事象の早期解決。
- ユーザーの取扱い指導を行うことで故障率の低下。
製品によっては故障か仕様か線引きが難しい事が多々あります。その時に必要な判断材料はそもそもの装置への理解です。
この理解が深まれば現地に行かずとも装置のトラブルが解消する案件が増えます。
ユーザーに電話で復旧作業を依頼して改善すれば、移動時間もかかりません。
お客さんも医療行為再開出来て一石二鳥なのです。
ユーザーとの信頼関係構築による労働時間短縮
この仕事でユーザーとの信頼関係の構築は非常に重要な意味を持ちます。
トラブルと修理が何度も続くと製品への信用とサービスエンジニアの信用が同時に失われます。
この信頼が失われる事で顧客から様々な要求が増えます。
- 短いスパンで定期的な点検や整備依頼。
- 長時間の稼働立ち会い。
- 修理翌日の稼働立ち会い。
顧客のパーソナリティにもよりますが、これらを要求される場合は顧客との信頼関係が崩れています。
焦らずにマメにユーザーの元へ通い、信頼関係を築くことで徐々にこの様な要求は減っていきます。
他部署の成果により働く時間が減る
これは主に設計開発部や品質保証部の成果により働く時間が減ります。
例としては以下の様な状況です。
- 取付いていた部品の耐久性が低い事がわかり、対策部品が支給される。
- 新しい制御プログラムがリリースされ、トラブルの発生頻度が低くなる。
- 過去の製品ノウハウから、故障しにくい製品への開発が進む。
だし、これらは現地のサービスエンジニアが品質問題として関連部署へ情報出ししなければ改善されません。
また、この様な品質対策は改善に至るまで数年単位の時間を要する事が多いです。
大きな期待はせず、気長に待つこと
まとめ
サービスエンジニアは比較的残業時間が増えやすいと言う事実を元に理由を解説しました。
理由をまとめると以下の通りです。
- サービスエンジニアは残業が増えやすい仕事。
- 修理/点検が終わるまで帰れない。
- 顧客都合で時間が決まるので、夜間や休日に作業開始することもある。
- 休日や24時間働くことが多い。
- 経験を積めば積むほど労働時間に余裕ができる。
- 技術習得、製品知識、業界知識による業務効率化。
- 顧客との信頼関係構築で、余計な仕事が減る。
- 他部署の成果により働く時間が減る。
同じ会社は3年は働け、なんてよく言われますがこの仕事に於いては3年がようやくスタートラインに立てるぐらい。
必死に日々働いていると自覚しないかもしれませんが、キャリアを積むごとに”労働時間は劇的に減る”が私の結論です。