サービスエンジニアって技術職だから理系の人が多いのでは・・・?
私はサービスエンジニアに向いていますか?
こんな疑問にお答えします。
1年前、「果たして私はこの仕事に向いていますか?」と職場の後輩から相談されました。
当時の彼は転職してきて1年半。業界の常識が無いことで配慮が足りず、顧客に迷惑をかける様なミスが続いてしまい、「そもそも私はこの仕事に向いているのかわからない。。。」と悩んでいた様です。
この後輩の簡単なプロフィールを以下にまとめました。
- 文系の大学卒の26歳男性。
- 社歴1年半で、前職は警備機器の営業マン。
- 未経験の中途採用として医療機器のサービスエンジニアに転職。
そんな彼に「人それぞれ弱みはあるけど、それぞれ違う強みを持っている。その強みを自覚すれば活躍できる。」と、時間をかけて失敗談や体験談を用いてアドバイス。現在は悩みなんてものは無く働いている様です。
さて、この「私はこの仕事に向いているのか?」と言う悩み。同じように抱えていませんか?
行き詰まり、悩む多くの方に向けて私の持論を魂込めて書かせていただきました!
サービスエンジニアとは納品、保守、修理を行う技術職
サービスエンジニアは一言で表すと以下のような職業になります。
製品を販売するのは営業の仕事ですが、販売後の製品を保守するのがサービスエンジニアの仕事。メーカーの信頼を高めるためにサービスエンジニアの働きは欠かせません。
カスタマーエンジニア、フィールドサービスの違いとは
仕事内容に大きな違いは無く、「製品のアフターサービス」を担当する仕事であることに大きな違いはありません。名刺に書かれる語句でどの様に顧客へ印象づけるかの違いでしかありません。
- フィールドエンジニア
(現地の修理業務を全て一任する名称) - カスタマーサービス
(技術特化より、顧客優先の部署をアピールしたい名称) - カスタマーサービス
(顧客対応の部署を全てひっくりめた名称。コールセンター等も同一部署にまとめている。
サービスエンジニアは未経験でも大丈夫
サービスエンジニア職は未経験者でも十分に挑戦可能です。
技術職であるため、一定の技術知識やスキルは求められます。しかし、多くの企業では新人エンジニアに対して研修を行い、基本的な技術トレーニングやオンボーディングプログラムを提供しています。
これにより、未経験者でも職務を遂行するための基本的なスキルと知識を習得することができます。また、サービスエンジニアの仕事は顧客と直接コミュニケーションを取る機会が多いため、修理技術と同等にコミュニケーションスキルが重要です。
未経験者でも、人とのコミュニケーションが得意で、技術に興味を持っている人であれば、サービスエンジニアとして成功する可能性は十分にあります。
サービスエンジニアに向いてる人の資質7選
サービスエンジニアに向いてる人の資質を解説します。列挙する資質全てを持っていれば活躍できますが、いずれかの資質を持っているだけで大丈夫です。
1,機械をいじるのが得意
製品の修理が多い仕事ですから、ドライバーやペンチ等の工具を握って、機械をいじるのが好きな人には向いていると言えます。
また、製品を解体してから綺麗に組み直す作業もありますから、プラモデルを組み上げるのが好きな人も向いていると言えることでしょう。
小学生時代にはガンプラやミニ四駆にハマっていましたので、その経験も活きてきたかもしれません。
2,優れた分析スキル
顧客の要求を満たすために、製品の故障、取扱いミス、エラー発生頻度などから、分析し解決策を提示できる能力が求められます。
- エラーログやエラーコードを分析し、どこに問題があるのかを特定
- 製品パフォーマンスを引き出す運用方法や使い方の提案
- 顧客の使い方や使用方法を分析し、最適な設定や、製品構成の提案
これらをロジカルに分析できる能力もサービスエンジニアの大事な資質の一つです。
3,問題解決能力
製品を利用しているユーザーの問題を解決するのもサービスエンジニアの大事な仕事の一つです。
何故なら、同じ製品を使っていても顧客によって取り巻く環境は異なるからです。
- 設置環境
- 運用ルール
- 接続するネットワーク環境やソフトウェア
これらの運用から取扱いミスや故障を引き起こしやすい顧客へのアプローチが必要になってきます。
顧客の取り巻く環境から、問題解決のために運用提案や、消耗品の交換提案をするのもサービスエンジニアの仕事と言えます。
4,判断力
顧客から問合せに対応するサービスエンジニア。その場で物事を決断できる能力を求められます。
- 複数の顧客から問い合わせがあった際の優先順位
- 訪問修理が必要か否かの判断
- 費用請求をしてまで部品の交換が必要か否か
- そのまま製品をつかっても大丈夫か安全性の判断
これらの判断を即座にできるか否かで業務の効率化、顧客満足度に直結します。
5,時間管理能力
昨今では働き方改革やセキュリティの強固にする意識改革の影響もあり、時間外に訪問することを拒否する客先が増加傾向にあります。
以下の様な時間管理ができるとサービスエンジニアとして解決できると言えます。
- 顧客の訪問、修理作業、保守活動の割り振り
- 予期せぬトラブルが起きても対応できる様にスケジュールにマージンを持たせる
- 移動時間を削減するために、効率的な客先訪問のルートやアポイントの設定
- 計画的な訪問が必要な顧客の時間管理
6,コミュニケーションスキル
サービスエンジニアは技術職でありながら、人とのコミュニケーションが重要な側面を持ちます。
- 故障の原因が顧客にあっても、気分を損ねない話法
- 顧客と必要に応じて会話し、不具合要因や経緯を聞き出す
- 機器の技術的な問題をわかりやすく伝える能力
- 組織内部の提携部門と円滑な業務を進める折衝能力
- 外部ベンダーやサプライヤーとの適切な連携
サービスエンジニアに向いてる人の思考5選
これまでは活躍できるためのスキルに着目してきましたが、サービスエンジニアとして続けられる思考について解説していきます。
1,人の役に立つ仕事をしたい人
人が困っているところに駆けつけ、課題を解決し感謝されるのがサービスエンジニアの仕事。直接感謝を言われることにやりがいを感じる人には向いている仕事とい言えます。
時にはつらいこともありますが、それでも感謝してくれるユーザーのためには頑張れます。
2,接客を楽しめる人
顧客と直接対話し、ニーズを聞き出すのもサービスエンジニアの仕事。楽しく会話できる雰囲気から顧客の心を開かせるのに十分な資質があると言えます。
また、時には顧客へ製品の使い方をレクチャーするケースもあります。その様な業務も楽しく取り組める人物は理想的な人物といえます。
3,自発的に動ける人
サービスエンジニアとして働く以上、「問合せがあってから動く」では遅いこともあります。こちらから客先に問いかけ、問題が無いか様子を伺うことも必要です。
顧客としても「気にかけてくれている」と思えると嬉しいですし、顧客満足に直結します。
4,慎重な性格の人
客先の製品を整備しますから故障させては元も子もありません。適切なメンテナンスを行い、堅実に作業を行う慎重な性格の人は向いていると言えます。
5,適応能力があり、出張を楽しめる人
サービスエンジニアとして働く以上、出張が前提の働き方になりますから、その場に適応して仕事できる資質が望ましいです。
同じ場所でジッと仕事をするのが向いてないという人もこの仕事に向いているといえます。
6,色々な物事に興味を持てる人
サービスエンジニアとして働く以上、自社の取扱製品を網羅的に把握していることが求められます。時には新製品が発売され、新たな知識を蓄えなければなりません。
多くの製品や業界に興味を持ち、自主的に製品に触れることが求められます。
サービスエンジニアはやめとけってほんと?
これまでサービスエンジニアに向いている人物像を解説してきましたが、いいイメージで語られることが少ない様です。
底辺って聞いたけど大丈夫?
サービスエンジニアは底辺と言われることは確かにありますが、
- 自分でペース配分ができ、
- 上司の監視の目がなく、
- 出張ついでに美味しいランチが取れ、
- 営業の様に目標数字が設定されない。
そんな仕事が底辺であるとは私は到底思えません。何故その様に言われるのかは別記事で解説しています。
きついってほんと?
サービスエンジニアの仕事は時より厳しい面が多々あります。フィールドワークが前提の働き方ですから、移動の日々で体力的にキツイ面はあると言えます。
しかし、実際には以下の様に仕事への誇りを持って定年まで勤め上げた方もいらっしゃいます。
- 人から感謝されることへの喜び
- 現場から会社を変えられる達成感
- 顧客から認知されることの喜び
サービスエンジニアとして働いた結果、社内の教育部門や企画部門、開発設計部門へのキャリアチェンジに進む方もいらっしゃいます。
製品技術からコミュニケーションスキルと幅広いスキルを磨けるサービスエンジニアはどの部署でも活躍できると言えます。
サービスエンジニアとして働くメリット
サービスエンジニアとして働くメリットは十分あります。
年収の水準は”悪くない”
Indeedさんと価格コムさん、転職会議さんから以下の様な給与水準であると掲載されていました。表にまとめると以下の通りです。
転職サイト | 平均年収 | 掲載年収の備考 |
---|---|---|
外部サイト : Indeed | 約410万円 | 掲載されている求人情報からリアルタイムで算出中。 |
外部サイト:価格コム(求人ボックス) | 約500万円 | 地域によっての給与分布、求人数の推移等の情報が多く掲載されています。 |
外部サイト:転職会議 | 約433万円 | 年代ごとの平均年収推移が記載されています。 |
令和3年度の国民の平均年収統計が出ていましたので紹介します。
給与所得者数は、5,270万人(対前年比0.5%増、25万人の増加)で、その平均給与は443万円(同2.4%増、102千円の増加)となっている。
国税庁 – 令和3年分 民間給与実態統計調査
男女別にみると、給与所得者数は男性3,061万人(同0.5%減、16万人の減少)、女性2,209万人(同1.9%増、41万人の増加)で、平均給与は男性545万円(同2.5%増、131千円の増加)、女性302万円(同3.2%増、94千円の増加)となっている。
給与水準を見れば、サービスエンジニアの給料は案外悪く無いものです。サービスエンジニアの年収は以下の記事で解説しています。
大手の医療機器メーカーで働ける
前述の通り、サービスエンジニアという職種は大変なイメージが付きまとうため、転職する上では穴場の職種。十分な理解をした上で転職すれば、職歴に大手医療機器メーカーの箔がつきます。
不人気職であろうと、職歴を華々しい社名を書ける様になればキャリアアップも容易になるといえます。
近年のトレンドである手術ロボット業界について解説しています。
求人が増えてて将来性もある
近年製品の高度化が進み、サービスエンジニアの求人情報は年々増加傾向にあります。
近年流行りのChat GPTにとられない仕事ですから、一度サービスエンジニアとしてのキャリアを積めばそのまま安心して働き続けられるといえます。
サービスエンジニアの将来性についてはこちらの記事で解説しています。
サービスエンジニアは純粋に楽しい!
前述した通り、キツイことに着目されるのは世間。現役の私からしたら楽しいと感じることが多いです。
どの道、会社員として働く必要があるなら楽しく働けるサービスエンジニアを選ぶことを私はお勧めしたいです。
まとめ
サービスエンジニアとして14年間働く現役者として、サービスエンジニアに向いている人の特徴を解説してきました。
一見大変そうに見えますが、お客様から直接感謝されることの喜びは大きく、社会に必要とされる仕事として長く続けられる魅力があります。
サービスエンジニアへの道は多くの可能性を秘めています。