サービスエンジニアはきついってホント?現役13年が負担を解説

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先日、twitterでサービスエンジニアへの転職を検討されているフォロワーさんからこの様な質問をいただきました。

くーま

サービスエンジニアは重量物を扱う機会が多いでしょうか?
腰痛持ちで仕事が出来ない事があります。

こんな疑問にお答えします。

「現地に設置された医療機器を整備する」と一言で言うと幅広いです。医療機器を今回例に挙げますが、ざっと以下の通り「持ち運びやすい製品」と「持ち運びにくい製品」を上げてみました。

持ち運びにくい医療機器
持ち運びやすい医療機器
  • MRI
  • CT
  • レントゲン
  • 血液分析装置
  • 手術用ロボット
  • 医療用顕微鏡
  • 生体モニタ
  • 内視鏡
  • 血圧計
  • 吸引機

扱う商材次第ではありますが、サービスエンジニアは物理的な作業が多くて力仕事で大変なのでは?と泥臭い仕事との先入観が強いのでは無いでしょうか。

しかし私の経験上、体力勝負ではありますが重量物を扱う機会は少ないです。

この記事ではサービスエンジニアとして働く上での肉体的な負担として大きな要素の2つ「重量物の取扱い」「長距離移動」に焦点を当てて解説します。

記事の内容

サービスエンジニアとは?

サービスエンジニアは簡単に表すなら「製品のかかりつけ医」です。専門的な技術と接客力を用いて顧客の元へ出向き、修理や保守サポートを提供するエンジニアです。

サービスエンジニアとして働くにはメーカー若しくはディーラーに所属して働くこととなります。具体的な仕事内容については以下の記事で解説しています。

特に「やめとけ」と言われる業界は?

特にきつい業界として例に上げるなら「プリンター複合機」と「自動車整備」関係です。この2つのはよっぽどその業界が好きでなければ務まりません

オススメしない理由としては以下の通りです。

だっと

特に自動車整備されている方は何故か携帯電話の契約を追加で営業させられた、なんて話もあります。

くーま

価格競争になると、利益を出しにくいサービスエンジニアが一番不遇な扱いを受けます
継続的な消耗品等の売上によって会社に利益をもたらすビジネスモデルでなければ、会社内の扱いは悪くなる一方です。

きついと言われる理由3選

サービスエンジニアの仕事は一般的にきついイメージが付きまといます。理由は主に以下の通りで、順番に解説していきます。

  • 作業着を着て作業するため、力仕事のイメージがある。
  • あちこち出張しているから、肉体的にしんどそう。
  • 製品が故障してから顧客に訪問するからプレッシャーがすごそう。

重量物を取扱う事は確かにあるが、そんなに多くはない。

大型の医療機器も整備が必要。
小型医療機器も整備が必要

サービスエンジニアが出張して整備する製品には大型のものが多くあります。

その大型製品を作業するとしても、そこまで力づくで部品の付け外しすることはありません。

その理由は”会社として避けたい理由””この仕事の特徴””それでも重量物を扱う場合”の順番に解説していきます。

重量物を扱いが少ないのは”厚労省からのお達し”

重量物取扱いに関しては労働基準法で指標が決まっており、逸脱した作業で腰痛を引き起こした場合には労災認定されます。

コレは平成25年6月18日に通達が出たもので、令和4年6月時点でも変わらず適用されます。

人力による重量物の取扱い

(1) 人力による重量物取扱い作業が残る場合には、作業速度、取扱い物の重量の調整等により、腰部に負担がかからないようにすること。

(2) 満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね40%以下となるように努めること。満18歳以上の女子労働者では、さらに男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとすること。

(3) (2)の重量を超える重量物を取り扱わせる場合、適切な姿勢にて身長差の少ない労働者2人以上にて行わせるように努めること。この場合、各々の労働者に重量が均一にかかるようにすること。

・職場における腰痛予防対策の推進について(◆平成25年06月18日基発第618001号) (mhlw.go.jp)
だっと

コレは努力義務と言うこともあり、強制力はありません。
しかし、労災が生じた際は事業者側が圧倒的不利になります。
万が一に備えて危険なことを指示された場合、指示された証拠を残しておきましょう。

大きな機器も元は小さな部品の集合体

実際の製品はメンテナンスする人の体の大きさを上回る物が多くあります。しかし、製品の展開図や整備マニュアルを細かく見ると小型の部品の集合体です。

また、近年では働き方改革の推進もあり、一人で修理作業できる様に製品構造の見直しがかかっていることも時代のトレンドです。

不具合要因を特定できずユニットごと交換するといったケースがない限り、小型の部品を交換することが殆どです。

”重量物の取扱うとき・・・”部署内で協力を得たり、外注も視野に入る

いくら重量物の取扱いに制限があっても、大型の医療機器を動かすことは避けられません。

重量物を動かすケース
  • 自社製品の納品。
  • 病院立て直し等の移設。
  • 新装置の設置に伴う部屋のレイアウト変更。
  • 装置の整備するのに十分なスペースが確保されていない。

総重量が100kgを超える装置が多い医療機器。一人で動かすには難しいものです。その際には会社が提携している運送会社へ外注したり、他部署や同僚から力を借りる日がきっと来ます。

社内の人間関係は良好に務めていればそんな困難も乗り切れます。

【結論】修理作業は多少体に負担が掛かっても、心地良い運動程度

私の職歴の中に開発設計職を経験した頃がありました。確かに座りっぱなしの生活は確かに体へ負荷がかかりませんが、急激に体が衰えた実体験があります。

その後サービスエンジニアに戻りましたが、今の方が健康的に生活できていると体感しております。

だっと

土方仕事をされている方がエネルギーに溢れている方が多いと思いますが、程よい運動は心身ともに健康にさせてくれるんだろうな、と肌で実感しました。

”長距離移動”が体に与える負担は無自覚。

長時間の移動は体への負担が大きいです。

長距離運転中、体は同じ姿勢を続けることもあり想像以上に体へ負担が掛かっています。

運転直後は特に自覚が無いかもしれませんが、翌日の朝に腰痛を引き起こす事があります。

過去に4時間運転→5時間作業→帰宅に4時間運転の業務がありました。
当日は特に腰痛はありませんでしたが、翌日の起床時は腰痛が凄くて起きれませんでした・・・

だっと

余りの痛みに整体院に通うと「労災降りるよ」と言われました。証拠不十分でしたので、次回以降はしっかり業務命令の証拠を残しておこうと思います。。。

社用車での長距離運転はこの仕事柄付きまとう

修理へ駆けつける時に必要な部品をカバンに詰め込んで現地へ向いますが、トラブル入電の段階では原因はわからないもの。

一度の訪問で解決する為には少数の部品を持って公共交通機関を使うよりも、多くの部品を運べる車での移動が効率的です。

仕事の線引きが「エリア制」だと移動距離は短い

サービスエンジニアの仕事の線引きに「エリア制」「担当機種制」が存在します。

移動時間は何も生み出さない時間。できる限り社員の移動時間は削りたいもの。

エリア制であれば社員同士の移動範囲が被ることが無い為、管理職から見れば効率的に人員を動かせている。と見れます。

だっと

近年では組織内での教育制度やサポートする部署を拡充し、機種担当の垣根を超える事が多い傾向にあります。
コレは人員を効率的に動かすことでコストカットが狙い。

「担当機種制」で区切れば移動距離は長いがメリットも

例として、とあるメーカーが外科的手術の電気メス専用の製品郡と、血液成分を検査する生化学分析装置の2種を扱っているとします。

扱う機種が変わることで、以下の様に違いが出てきます。

外科手術の電気メス生化学分析装置
接客する顧客外科医 or 看護師臨床検査技師
修理技術主に代替品の入替 or トラブルシュート現地での部品交換やオーバーホール等
作業時間短い長い
顧客とコミュニケーション
に必要な知識
手技の知識
(外科手術の手術の手法)
血液の成分に関する知識
(測定項目やその値が示す意味)

扱う製品が変われば、接する医療従事者求められる能力必要な知識スケジューリング等大きく変化します。

専門的な技術や知識を習得したサービスエンジニア派遣することで顧客満足度を高められます。人員や移動のコストを重視するか、専門性が高いスタッフの派遣を重視するか・・・どの様に捉えるかは企業次第と言えます。

くーま

営業マンは幅広い製品群を対応する事が多いため、「サービスエンジニアも同じ様に働きましょう」とされる事が最近のトレンドです。
ただ、そんな幅広く製品扱えないよ・・・

だっと

私の実体験から言えば専門性や特定分野のスペシャリストが求められる職種なのに、広く浅く対応させるこのコストカットには懐疑的です。
長期的な目線で見た時に「顧客目線でない対応」や「修理品質の低下」を招き、会社責任の問題が多数出てきそうなものですけどね・・・

社用車が支給されない場合もある

社用車が支給されるのは基本ですが、支給されないケースもあります。

支給されないケースとして「故障時の至急性」と「エリアが広い場合」の2つに別れます。

製品トラブルが起きても至急性がそこまで高くない。

扱う商材によっては複数所有することが一般的な製品もあります。装置が一台壊れても代替が効き、至急性はそんなに高くない事もあります。

複数機台で運用する装置の修理は現地で行われること無く、修理工場での整備がメインになります。その様な商材を扱うメーカーではサービスエンジニアに社用車を支給せず公共交通機関で移動することがあります。

移動範囲が極端に広い

国内のシェアが薄くサービスエンジニアの人員も少ない場合、社用車が支給されないケースもあります。極端な例として国内に拠点が東京しかない場合です。

キャリーケースに部品と工具を詰め込んで、公共交通機関(飛行機や新幹線、電車、バスetc…)とレンタカーを乗り継いで客先に訪問します。

運転が好きな人にはストレス解消の面も。

ドライブを趣味にする人も居るので、楽しさを見出せれば移動時間も楽しめます。

これまで「長距離移動は肉体的負担が多い=悪い事」を前提に話をしてきましたが、実際には一人のドライブにはメリットが大きいです。

一人ドライブのメリット
  • 移動先のご当地グルメを楽しめる。
  • 移動時間中は自由。(好きな音楽流したり歌ったり。)
  • 移動中の休憩を自分のタイミングで取れる。
  • 外の空気を吸える。

社用車にドライブレコーダーが搭載されることが多いですが、人の目を気にしないのであれば好き勝手できます。業務時間内で好き勝手できる時間があるのは外働きの特権です。

だっと

私の上長も外に出ることが無くなってから「外働きが楽しい」と自覚した様です。実際その様に感じる人は多いですね。

まとめ

サービスエンジニアとして働く上で特に負担が大きい「重量物の取扱い」と、「長距離移動」、「プレッシャー」に関して解説しました。

サービスエンジニアは体力勝負か。
  • サービスエンジニアとして働く上では重量物の取扱うケースは少ない。
    • 一人が出来る重量物の制限は決まっており、怪我すると会社の責任が大きくなる。
    • とは言え重量物を動かすケースは存在するので、助けを得られる様に社内のコミュニケーションは円滑に。
    • 実際に体を動かす仕事は肉体への負担は掛かるものの、体に良い程度。
  • 長距離移動は体への負担が大きい。
    • 社用車での移動は業務上効率が良い。
    • 所属する企業の考え方次第で「エリア制」か「担当機種制」かで別れる。
      • エリア制は移動距離は短いが、扱う機種が広がり覚える事が増える。
      • 担当機種制は移動距離は長いが、扱う機種が狭まり専門性が高い接客が出来る。
    • 一人ドライブが楽しめる人にはこの仕事は天職。

「肉体への負担がどの程度か」は人それぞれですが、私自信肉体への負担が大きいと感じる事は少ないです。

私自信会社を転々としながらも13年間働いてきました。定年退職するまで現場で働いた人を知っています。

体への負担があっても続けられる様に製品開発力を高め、「メンテナンス性」を高める企業努力も見受けられる様になってきています。

私としても定年までこの仕事を続けられる見込みで働いています。サービスエンジニアへの転職を検討されている方の後押しになると嬉しいです。

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