サービスエンジニアとして働くならディーラー、メーカー、派遣どこが良い?
こんな悩みを解決します。
サービスエンジニアで求人情報を探してみるとメーカー以外にも販売店や派遣会社の求人があります。それぞれの業態はメーカーとどう違うのか?と疑問に思われるはず。
私は医療機器サービスエンジニアとして6社を転々とし、13年働いてきました。販売店や派遣会社と連携を取ってきました私の結論は「メーカー所属で働く一択」です。
この記事ではそれぞれの業態でどの様な働き方をするのか、就職先を決める上で参考になるのでは無いでしょうか。
サービスエンジニアは「ディーラー、メーカー、派遣」3種類の所属に別れる。
サービスエンジニアが所属する会社は大きく分けて3種類に別れます。それぞれの会社は一貫して同じ様にユーザーサポートを行いますが、所属する会社によって仕事内容や待遇は大きく変わります!
それぞれ順を追って説明していきます。
ディーラーのサービスエンジニアは長期勤続に不向き?
ディーラーのサービスエンジニアには以下の様な特徴があります。
- 複雑な作業は少ない。
- 顧客との物理的距離が近く、残業時間は比較的少なめ。
- 年収は低い傾向にある。
総括すると、年収は低くめでプライベートの時間を確保したい人向けです。それぞれの項目を説明してきます。
【ディーラー】複雑な作業は少なく、残業時間は少ない。
販売店のサービスエンジニアはメーカーからマニュアルや研修を受講しますが、知識量はメーカーより少ないです。これはメーカー側が他社との差別化や、設計ノウハウ等をディーラーから他メーカーに情報流出するリスクがあるからです。
主に担当する仕事内容としては「既知の現象で対処が容易な現地対応」や、「定期点検の代行」が主な業務になります。現地での対処が困難なトラブルに遭遇した場合、メーカーへ引き継ぎます。
【ディーラー】顧客との距離が近く、転勤がない
メーカーと違って営業拠点数が多く、一人当たりのテリトリーが狭いため運転距離が短いです。トラブルが発生してから顧客への訪問まで早く駆けつける地域への密着性が特徴的です。
転勤がほぼないのも大きな特徴です。会社としての信頼関係が個人に依存しやすく、転勤は会社にとって不利益だからです。
【ディーラー】年収はメーカー所属と比べて少ないが、入社までのハードルは低い。
理由としては、ディーラーの収入源がマージンに依存するからです。販売店がメーカーとの間に有利な契約が結べるのであれば別ですが、作業単価が低いこともあり高収入は望めません。
当然販売店にも競合他社が居ますので、大概は価格競争にもつれ込む事のも逆風に。この様な特徴から未経験でキャリアを積むファーストステップとして選ぶ事が多い傾向です。
長く働くなら”メーカー”のサービスエンジニア
ディーラーと対称的なのがメーカーのサービスエンジニアです。特徴としては以下の通り。
- 複雑な作業が多く、残業時間は多い。
- 要求されるスキルと知識は幅広い。
- 皆嫌いなクレーム処理を担当する。
- 顧客との物理的に距離があり、転勤族である。
- 年収は他と比べ高い傾向にあり、入社難易度は高い。
【メーカー】メーカーのサービスエンジニアはハードな仕事。
メーカーの顔で、顧客から最終的に頼られる存在です。
メーカーのエンジニアは開発部や、品質保証部が整備マニュアルに準拠して修理作業を行います。しかし、そのマニュアル以外の作業が必要になってくることが多々あります。
どこまで行ってもマニュアルは机上の空論。想定通りに装置が壊れるなんてことはありません。作業内容によっては徹夜することもあります。
また、販売店や後述する派遣のサービスエンジニアが配置されている場合、そのサービスマンが完遂出来なかった修理をすることもあります。
【メーカー】要求される技術的スキルと医学的知識。
製造部でしか使わないような特殊な治具や、メンテナンス用のソフトウェアを持ち込み、整備することがあります。もちろんこの専門的なツールの取扱いを熟知している必要があります。
また、医療機器に近い立場で顧客対応する仕事ではありますが、顧客対応上、医療の学術的知見も必要になることがあります。「専門用語が分からず顧客と話ができない」なんてことが無いように日々勉強する必要が出てきます。
一人前になるまでの道のりは一番険しいと言えるかも。
【メーカー】皆嫌いなクレーム処理を担当する。
製品への不満、会社への不満、担当者への不満、色々ありますが、顧客の不満が爆発しクレームになった場合、巻き添えになるのがサービスエンジニアです。
クレーム内容によっては「それ、どうしようもないじゃん。。。」の様な内容でも顧客とメーカーの窓口になり、社内と関わる品質保証部や設計開発部を引き連れ顧客対応します。
【メーカー】顧客との物理的距離があり、転勤族である
販売店と比べて営業拠点が少なく、社員一人一人任されるエリアは非常に広いです。
また、地域差で忙しさが変わることもあり、社員の成長性や業務量に平等性を待たせる為、営業と同様に転勤族であることが多いです。
【メーカー】年収は他と比べて高い傾向にあるが、入社難易度は高め。
外注業者に依頼するよりも整備コストが下がる分、社員個人に給料という形で還元されます。
自分の生活のことを考えるなら、派遣や販売店ではなくメーカーのエンジニアで働くことを目標にすることをオススメします。
派遣や外注のサービスエンジニア
前述したメーカーとディーラーのサービスエンジニアですが、それぞれ対局的な位置付けにある業務形態でした。ディーラーとメーカーの中間位置に属するのが派遣若しくは外注のサービスエンジニアです。
メーカーが派遣や外注に依頼する理由としては「部署を発足せずともクオリティの高い人材を用意できる。」若しくは「配備するのに必要な人件費等のコストが抑えられる」からです。
特徴としては以下の通りです。
- 複雑な作業は少ない。
- 顧客との物理的距離が遠いが、残業時間は比較的少なめ。
- 仕事が無くなることは無い。が、突然無くなることも。
- 派遣は正社員雇用も狙える。
- 年収は低い傾向、入社難易度も低い。
一度解説した内容は割愛し、大きく異なる点を2点解説します。
【派遣と外注】派遣からであれば正社員採用も。
派遣で長く勤め上げると、そのまま正社員として採用されることがあります。派遣社員として働くメリットとしては大きいもの。
中には高学歴でなければ入社できない様な会社に近づく手段でもあります。自己のキャリア形成を考えていく上で派遣のサービスエンジニアとして働くことを考えても良いかもしれません。
【派遣と外注】外注業社はメーカーの代理を担うサービスエンジニア
数としては少ないですが、メーカーから外注で整備を行う企業も中には存在します。
メーカーが外注する理由としては人件費等の諸経費コストカットや、高品質なサービスを提供するエンジニアを配備する必要が出てくるためです。
請負う作業内容としてもメーカーとの契約次第ですが、比較的プライベートを大事にしながら働けます。
【派遣と外注】仕事が無くなることは無い。がある日突然仕事内容が変化することも。
医療機器業界は医療行為ありきです。時代の変化によって特定の医療分野が下火になり、製品が売れない事に。
これは診療報酬改定により、特定の医療行為をしても国から報酬金が少なくなる事に起因します。
その点、外注や派遣は幅広い分野の医療機器を扱う為、仕事が無くなることはありません。業界の変化に敏感でなくとも安定的に仕事があり、給与をもらえることができます。
ただし、逆を言えば取扱い製品の販売終了や、組織再編による契約打ち切り等。メーカーの一存で仕事が急に無くなり、突然別メーカーの製品を取扱うリスクが存在します。
幅広い製品を触ってみたい人、ディーラーと同様キャリアアップの一つとして働くのが主な就業目的になります。
まとめ
以下まとめでです。
ディーラー、メーカー、派遣・外注に着いて解説しました。
同じ様に医療機器のサービスエンジニアであることに変わりはありませんが、会社によって特徴が異なります。
年収、労働時間、転勤の有無等。会社に求める条件は個人個人異なりますので、個人に合った企業を選びましょう。