【やめとけと言われる真相】現役13年がサービスエンジニアを語る

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くーま

「サービスエンジニアは辞めておけ」って現役の人から言われます。本当ですか?
こんな疑問を持つ方にアドバイスさせていただきます。

作業着のおっちゃんが現場で装置を修理する。

この一言はサービスエンジニアが修理作業している姿ですが、如何にもクリエイティブとは程遠く泥臭い仕事に見えるのではないでしょうか。

私はそんなサービスエンジニアを一度辞めて開発設計職に移りましたが、再度サービスエンジニアとして働くことを選びました。

そんな私が「辞めておくべき8つの理由」と、その理由に対して何故再度サービスエンジニアとして働き始めたかを述べていきます。

結論から言うのであれば、「サービスエンジニアはやめとけ」なんて最早時代遅れです。

この記事を読む事で、未経験の方はサービスエンジニアの仕事に対する理解が深まります。現役の方は「見方を変えればこんなに素晴らしい仕事なんだ!」と再確認できます。

私の思いを文書にしたところ、非常に長い記事になりました。
目次から適宜読んでいただくことをオススメします。

記事の内容

サービスエンジニアは「やめとけ」と言われる理由8つ

オススメしない主な理由とは

サービスエンジニアは何故やめておけと言われるのでしょうか?その理由を私の実体験や、同僚からの体験談を順番に解説します。

やめとけと言われる理由を8つ列挙しました。

プレッシャーが多い

早く、安く、確実に直して欲しいのが顧客のニーズ。サービスエンジニアはこの期待に応えなければなりません。

過剰なサービスを要求されることも多々あり、以下4つのプレッシャーがかかることがあります。

感じるプレッシャー
  • 顧客から「早く使えないと困る」という苛立ちから来る”時間的プレッシャー”。
  • 確実に直して欲しいという”修理品質へのプレッシャー”
  • 安く直してほしいという”金銭的プレッシャー”
  • 権威性のある顧客からの”権力のプレッシャー”

医療機器なら特にダウン状態には要注意!

修理作業には大きく分けて2種類があります。”軽微な異常”装置が完全に止まる”ダウン状態”です。

この2つの内、最もプレッシャーがかかる修理がダウン状態の修理。ダウン状態が長ければ長いほどメーカーの信頼の失墜に繋がります。

メーカーへの信頼を維持するためには急いで駆けつけ、早急に確実な修理をしなければなりません。

著名な顧客を対応する事も

医療機器であれば日本を代表する大きな病院を相手にし、プレッシャーを感じることがあります。私が実際に相手にした大型医療機関です。

担当してきた医療機関
  • 東大
  • 順天堂
  • 虎ノ門
  • 女子医大
  • 聖路加
  • がんセンター中央
  • 慶應
  • 昭和大
  • 慈恵医大
  • 駒込
だっと

ド田舎出身の私が有名な医療機関を相手にしていました。
「顧客を怒らせて、クレームになったらどうしよう?」
「会社の売上に大きな影響が出るのでは?」
そんなプレッシャーを感じていました。

コミュニケーションスキルが求められる

電話や接客においてはコミュニケーション能力が必要とされる状況が多いです。

サービスエンジニアの主な仕事はトラブルシュートですから顧客も冷静ではありません。

あたふたしている顧客の発言は事実と異なっている場合もありますから、相手の言っていることを汲み取る力も求められます。

電話対応で食い違いが起きることも

トラブルが起きている状態を直接目で見れれば良いのですが、口でお互い装置の状態の情報を聞かなければなりません。正確に起きている状態をヒアリングし、相手が何を言いたいのか汲み取る力を試されます。

人柄の良さを求められる

トラブルが起きている客先へ出向くわけですから、ピリピリしている現場に入ります。そんなピリピリしたお客さんを和ませる語彙力、説得力、人柄が求められます。

移動が大変できつい

サービスエンジニアは基本的に現場での作業が多くあります。公共交通機関を乗り継いだり、車で長距離の移動が苦痛に感じる人には向いていません。

移動するにも事前の下調べが必要な事も

現地に辿り着くには現地までの下調べは多いです。

事前準備が多い
  • 現地までの道のりを地図で調べる。
  • 高速道路に乗り、何処で降りるか何処で調べるかが必要。
  • 電車の移動や車の移動であれば予測できない渋滞や遅延に備えて早く動く必要がある。

医療機関の中には製薬会社や、臨床検査受注機関もあります。これらは大体公共交通機関から離れた立地であること、分かりづらい場所であることもあり、施設を探すのにも苦労します。

現場は「メーカーの尻拭い」

製造段階で取りきれなかったバグの清掃屋さん

サービスエンジニアの仕事の多くは製品発売までの過程で処理仕切れなかった欠陥のアフターケアである事が多いです。以下の業務を当然のように現場へ依頼してきます。

  • 部品の耐久性の計算不足。
  • 実際の設置環境で判明する不具合。
     (ホコリの入り込みや静電気、湿気、使用頻度etc..)
  • 想定外の操作手順で発生するトラブル。
  • サードパーティ製の消耗品との組み合わせで発生する不具合。

既売品の品質問題はモグラ叩きになりがち

市場の製品への対策部品、改善されたソフトウェアがリリースされる事がありますが、その対策をする事でまた別の不具合が発生します。この現象は市場の製品と社内で検討されている製品とわずかに仕様が異なる事があるからです。

例として挙げられるのはOSやファームウェア等のソフトウェアの些細な違いが邪魔をする、買入れ品のパソコンや電子部品が廃盤になり、想定外の組み合わせで問題が発生する等様々な要因で発生します。

だっと

不具合が改善したと思いきや、また別の問題が発生。いわゆる「モグラ叩き状態」になることが多々ありました。
「なんでもかんでも現場の人間に任せずに開発部門の人間が現場に出向け!ボランティアじゃないんだぞ!」と何度も思っていました。

日常業務の幅が広くて量が多いのに評価されにくい

サービスエンジニアの日常業務は修理や点検ですが、この業務だけでは会社へ直接の利益にはなりません。

修理作業や点検作業をしても人件費や交通費で赤字になります。サービスエンジニアとして本来やるべき仕事をしていたとしても、それだけでは評価されにくい傾向にあります。

サービスエンジニアの評価方式は減点方式。

サービスエンジニアとしてやる仕事は原則、出来て当たり前の点検や修理作業。以下のようなミスがあれば減点される仕事です。

減点評価される事例
  • 修理作業時にミスがあればエラーを再発させ、余計な工数が発生するために減点。
  • 顧客からのクレームにより顧客対応能力が足りないと言う事で減点。
  • 間接業務で作業漏れや、部品の在庫管理や、レポート業務の遅れに減点。
  • 見積もりの金額ミスや請求額にミスが発覚して減点。
  • 保守契約の更新が出来ずに減点。

他の職種には加算評価される要素がある

サービスエンジニアは減点方式ではありますが、他の職種は名誉挽回できる機会があります。

  • 営業は新規顧客獲得や既存ユーザーの更新による加算評価。
  • 開発設計は新しい製品の新規設計をし、多くの商談につながる加算評価。

サービスエンジニアがミスしてしまうのは本人に落ち度がありますが、加算評価される機会は非常に少ないです。汚名返上する機会が少ないのが辛いところでもあります。

労働時間、休日出勤が多い

修理作業や点検作業は客先の都合で時間が決まることもあり、コントロールしにくい事が多いです。

だっと

突然の故障で呼び出されることももちろんあります。事前に立てたスケジュール通りに行かないことも多々あり、自分のペースで仕事出来ない事をストレスに感じます。

勉強することが多い

サービスエンジニアは接客であると同時に装置を修理する技術者です。身に付けるスキルや知識はより良いサービスの提供には欠かせません。

サービスエンジニアが身につける知識とスキルの例
  • コミュニケーションスキル
    • 社内・社外の人と連携を取る。
    • 顧客と良好な関係を築くスキル。
  • 業界同行
    • 業界の変化や新しい取組み
    • 新製品や時代の変化
  • 顧客情報の権威性や、顧客同士に繋がり
    • 顧客の権威性や他施設への影響度合い
    • 他施設の動向を顧客へ耳うちすることも。
  • 他社と自社製品の違い
    • 自社製品の強みや内部構造
    • 旧型製品と現行製品の違い
    • 自社製品を使う事で相手に与えられるメリット

転職時に使えるスキルが身につかない。

今所属している企業でやっていくためには、修理技術や業界知識は必要なスキルです。

しかし、長期間勤務し続けると業界が下火になることもあり、新たな業界へ踏み出す必要が出てきます。

専門性が求められる職業なのですが、身につけた専門性は1つの会社でしか使えないことが多いのが実情です。

転用が効かないサービスエンジニアのスキル
  • 製品構造や動作原理、機構
  • 劣化が早いユニットの予防保全
  • 定期点検時にチェックする箇所
  • 業界特有の知識
    (医療機器を例にあげるなら医療業界の知識や手技に当たる。)

【一度辞めて分かった】サービスエンジニアは製造業界に欠かせない

製造業の用心棒

これまでは私が実際に退職へ至った理由や、同業の友人の意見を述べました。これより以下は、私が一度仕事を離れて痛感した内容です。

プレッシャーが多いからこそ価値のある仕事

サービスエンジニアには製品の最終的な価値を決めるプレッシャーを背負います。

製品の販売、利用、メンテナンス。この中で製品の価値を大きく左右するのがメンテナンス。どんなにいい製品でも正しくメンテナンスが無ければ「すぐ壊れるガラクタ」なのです。

民生機も医療機もプレッシャーは変わらない。

他人の所有物に手を加える仕事ですからプレッシャーは多いです。

「医療機器なら特に……」と思うかもしれませんが、どんな製品にもプレッシャーはあります。

修理に関わるプレッシャー
  • スマートフォンの修理なら突然連絡が取れなくなるリスクがある。
  • 折れた靴のヒールを修理するにしても接着が不十分で顧客を転ばせるリスクがある。
  • 一眼レフを修理したつもりが故障したままで、一生に一度の新婚旅行の思い出が台無し。

修理のプロはいつだって責任が付きまとう仕事そんな仕事だからこそ、顧客からは喜ばれる機会が多いのです。

営業や開発よりも感謝される機会が多いと言えます。その先にあるお客さんの喜ばれる顔、褒められる言葉がモチベーションに繋がります。

くーま

ぶっちゃけた話をすれば、最前線のサービスエンジニアの方が諸々とトラブルを誤魔化しやすい。社内で責任を背負う業務(開発や品質保証)の場合には多くの社員を巻き込み、多くの厳しい目にさらされるため、誤魔化しが効きません。

どんな仕事でも責任が付きまとうのが社会人です。それを最前線か、社内に篭って責任を真っ当するかの違いです。

権威ある顧客が相手でもやる事は同じ。

日本を代表する名医が顧客であろうとも、修理担当者ができる範囲は決まっています。 

整備マニュアルは既に決まっており、そのマニュアルに従い保守するのが現場の役目。それ以上でもそれ以下でもありませんし、その行為にクレームがあるのであればそれこそ現場の責任ではなくなります。

マニュアルを作った部門の責任にもなり、その様な修理体制を用意している会社側の責任になります。

 移動は仕事を忘れてプライベートな時間

現場に入る前はのびのびとできます。

移動中は上司の監視の目が無い為、自由な時間です。社内や客先でストレスが溜まってもリフレッシュできます。

業務時間中にこんな事できます
  • スマホでソシャゲやSNS。
  • 自分の好きな音楽を聞く。
  • 長距離運転したら駐車場で横になり休憩。
くーま

客先や社内のONの時間と、移動中のOFFの時間。
営業マンと同じでON/OFFが出来る仕事は長く働く秘訣です。

運転が苦手な人は克服する良い機会。

会社のお金で必要な車や高速道路代は全て出るわけですから、自分のペースで車での移動に慣れる事が出来ます。

私も車の運転が苦手で、何度も事故を起こしました。
会社で相応の処罰を受けましたが減給されることはなく、会社で入っている任意保険で全て済んでいます。

スマホの恩恵を多く得られた。

今の時代はスマホやカーナビが発達し、移動の大変さが非常に軽減されました。

今であればGoogle mapで目的地点を指定すれば車の道のりや、公共交通機関の乗り継ぎを教えてくれます。しかも無料。

私はカーナビとGoogle mapと併用していますが、今の時代Google mapの方が渋滞情報を考慮して道を取捨選択してくれるのでオススメです。

そんなITの発達もあり、車の運転や、公共交通機関の乗り継ぎも非常に簡単になりました。毎日が会社のお金で小旅行している様なものです。

Google mapに頼りすぎるのも注意です。Google mapはあくまで道路を走行している他の人の位置情報を集計し渋滞を回避してくれますが、工事による通行止めは回避できません。
参考→(外部サイト)googleマップはどうやって交通渋滞を把握しているの?

だっと

出張で都内を回りましたが、東京タワー、スカイツリー、レインボーブリッジにお台場・・・テンション上がるような場所を車で回れて毎日観光気分です。

くーま

地方は地方で各地の名産や有名なお店で食事が出来ます。日常的に出張ができる職業の醍醐味ですね。

コミュニケーションスキルを磨くのに最も適した職業

習慣的に顧客や社内の人間と関わる機会が多い為、コミュニケーション能力を高めたり維持するのにはうってつけの職業です。

サービスエンジニアは先輩社員や、営業と同行することがあります。この機会は接客技術を目の当たりに出来る良い機会。相手を納得させる言い回しや、キラーワードも学べます。

【残酷な真実】現代社会ではコミュニケーションが苦手な人は「働きにくい」

現代社会は何もかもが専門性で固められ、専門家が力を合わせて一つの大きなプロジェクトを進めます。

装置の開発設計を例にするなら、一つの製品開発に様々なプロが関わり設計開発していきます。

製品1つ開発するのに関わるプロ
  • 機構設計のプロ
  • 強度計算のプロ
  • 電気部品選定のプロ
  • 部品選定のプロ
  • 間接業務のプロ
  • マーケティングのプロ

30年前なんて一つの製品を開発するのに一人の天才で充分。しかし、今は一人の天才だけでは市場に求められる製品を作れません。

現代の製品は多機能で小型で安価でハイパフォーマンス。テクノロジーが発達した世の中では多くの人が関わり製品開発するのが当たり前の時代です。

「寡黙でコツコツと仕事をする姿」を美徳とされた時代は終わり、現代はチームで連携を取る時代。コミュニケーション能力を高める機会は必ず必要になります。

強引ではありますが、日常的に人と関わる仕事だからこそコミュニケーション能力は身についていきます。現代社会に於いては必須スキルが自然と身についていく状況に身を置いて損はありません。

コミュニケーション技術を磨けば「圧倒的に楽になる」仕事

電話対応を磨けば、わざわざ現地に出向かなくてもトラブルシュートは完結します。

顧客としては修理に来てもらう時間が掛からず、出張費用を払わずに済み、正常に業務に戻れるメリットがあります。

昨今では多くの企業が不具合内容や問合せ内容をデータベース(KintoneやSalesforce等)に記録することが主流になっています。データベースに打ち込まれた情報を検索して指示すれば済む事も多いです。

いくらデータベースからヒントを獲得しても、相手を納得させるコミュニケーション能力が無ければ解決に至らず、訪問を要求されることもあります。

コミュニケーションが苦手でも苦手なりのやり方がある

顧客との会話が苦手でも、修理後のアフターフォローを社内の営業に丸投げしてしまっても大丈夫です。

現地の装置状態を営業と情報共有出来ているアピールにもつながるメリットがあります。顧客としても気にかけてもらえる事は喜ばしいこと。社内に頼れる人が居るなら頼りましょう。

私自身、新卒当初はまともに顧客とお話できませんでした。逐一営業マンに情報共有し、営業マンが必要に応じて客先にアフターフォローをしてもらっていました。

だっと

学生時代のバイトはファミレスの調理場でしたから、接客業なんて経験ありませんでした。
小学生時代には年上から虐められた経験もあり、年上は大の苦手でした。
そんな私でもなんとかなるもんです。

接客する技術者は評価される傾向にある

サービスエンジニアは努力次第で開発設計職を超える評価を得る可能性を秘めています。

「現場に出る技術者」は重宝され続ける。

開発設計者は製品の開発設計のプロではありますが、接客のプロではありません。両方を併せ持つサービスエンジニアは今後も必要とされます。

以前に品質問題発生し、開発設計者、担当営業、私が同行して顧客対応した時の様子です。

開発部に顧客対応させた失敗事例
  • 触れてはいけない地雷へわざわざ足を突っ込む。
  • 言葉を発せば大体責任逃れ。
  • 用意したシナリオから逸脱できない。
  • アドリブが出来ない。
  • 相手の顔色を見ての最善の言葉選びが出来ない。
  • 相手の顔色を見ての最善の言葉選びが出来ない。

ボロクソに言う様で申し訳無いのですが、事実として顧客対応は任せきれませんでした。

「開発設計職は頭がいいから顧客対応も出来るだろう」と思っていましたが、日常的に接客していない以上、顧客対応スキルに期待はできません。

営業に近いコミュニケーション力開発設計に近い技術力を持つ現場の職業。双方の力を持った現場に出向く仕事は重宝されると改めて認識しました。来性についてはこちらの記事で解説しています

ITやガジェットの発達により社内での評価が高まりやすくなった

昔と比べると、圧倒的に現場での業務成果が重要視されるようになりました。何故なら、現地の装置状態を正確かつリアルタイムで社内へフィードバック出来る様になったからです。

昔と現在の違いをざっとまとめてみました。

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項目現代昔(具体的には20年前)
装置情報の共有USBメモリを装置に指してログやパラメーターを吸出し、メールで共有。パソコン交換や、フロッピーディスクで情報を回収し、郵送して共有。
装置の実物写真の共有スマホで撮影し、そのままメールやファイルサーバーへ共有。デジカメもしくはインスタントカメラで撮影し、郵送して共有。
装置の動作情報の共有スマホで動画を撮影し、そのままメールやLINEで共有可能。デジカメで動画を撮り、データが保存されたSDカードを送付。

スマホのテザリングやモバイルカードで客先でもインターネットが使用可能になりました。現場で回収した装置のエラーログや装置設定情報をリアルタイムに共有出来ます。

その共有した情報から対処法を社内で検討し復旧に役立てられますから、今では一人で解決せず、社内の有識者を巻き込んで対処がしやすくなりました。

だっと

私が社会人になった13年前はガラケーが主流で写真の画質も大した事なし。
動画のファイル拡張子も独自規格でカクカク。
パケット通信も高額な時代。
大きな変化を肌で感じます。

ガジェットの恩恵は間接的に社内の品質問題改善部門も。

モグラ叩きの様な製品の品質問題も正確で迅速な情報共有により、立て続けに不具合が続くことも少なくなりました。

正確に現地の莫大な情報を共有できる現代社会だからこそ改善された事象と言えます。

世情の変化が追い風になり、給与面、労働時間面共に働きやすくなった

昨今では時代の変化でかなり働きやすくなりました。主に以下の3つです。

世情の変化による働きやすさの変化
  • 形の無いサービスへお金を払う事が正当化されてきた
  • 働き方改革は我々だけではなく、顧客にも影響。
  • 高度な製品になった分修理作業も簡単に。

形の無いサービスへお金を払う事が正当化されてきた

この風潮は定額料金払う事で様々な恩恵を得られる「サブスクリプションの流行」であったり、「コンプライアンス遵守」が色強く出て来たことによるものです。

日本では「原価と形が無いものにお金を払う」事を毛嫌いする傾向にあります。しかし、ここ最近はこの風潮が薄くなり、以前より形の無いサービスへの対価としてお金を払うことが一般的になってきました。

この時代の変化は我々サービスエンジニアとしてはありがたい限りで、不当な手数料や技術料の値引き要求も少なくなったと感じます。

働き方改革は我々だけでなく顧客にも

2016年働き方改革により、残業の削減や不当なサービス残業等が減りました。働き方改革関連法はwikipediaによると以下の通り。

働き方改革関連法(はたらきかたかいかくかんれんほう)、正式名称は働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律[1](はたらきかたかいかくをすいしんするためのかんけいほうりつのせいびにかんするほう)略して働き方改革一括法(はたらきかたかいかくいっかつほう)は、日本法における8本の労働法の改正を行うための法律である。

Wikipedia – 働き方改革関連法

社内の働きやすさが良くなった上に、更に顧客からの時間外の作業依頼も減ったのです。

サービスエンジニアは基本的に、顧客立会いの元修理や点検作業を行うもの。その顧客も働き方改革により時間外労働を減らす様になりました。

だっと

お客さんによっては「お時間大丈夫ですか?」と聞かれることも増えました。
残業が良くないと言う風潮になり、ありがたい限りです。

しかし、これは故障状況が軽微な状態に限ります。
装置が使えない状態(ダウン状態)であれば、使えるようになるまで帰れない事があります。

高度な製品になると修理も簡単に?

実のところ、現場修理は古い機種と比べて簡単になった傾向にあります。

製品が小型になった分、現場の修理作業ボリュームが大きくなったと思われがちですが、内部構造が複雑になった分、部品はユニット単位の交換になることが多いです

顧客へ部品の請求額が増えるデメリットは抱えるかもしれませんが、修理が早く、技術料も安く済む事を考えればプラマに作用しています。

ユニット単位の修理作業によるメリット
  • 部品交換が短時間で済む様になる。
  • 関係する部品を丸ごと交換する為、不具合要因の絞り込みが容易。
  • 特殊な工具を使用しなくて済む。
  • ユニット内の部品の互換性を心配しなくて良い。

転職に有利な面が多い

実際に転職してみて感じます。想像するよりも無意識に身に付くスキルは多いです。

転職活動には筆記試験等は無く、面接と職務経歴書で採用が決まります。これらの技術は面接時に相手に伝わるものです。

転職先でも活躍するスキル
  • アドリブ力
     (限られたリソースで顧客を納得させる技術)
  • コミュニケーション能力
     (初対面の相手や顔馴染みと日常的に折衝する技術)
  • トラブルシュートのノウハウ
     (論理的思考により課題を解決する技術)
だっと

私も未経験で開発設計として採用された事もありました。
転職活動時にはこれらを評価されたと思います。

サービスエンジニアの勉強は座学ではなく実学が中心

サービスエンジニアの勉強は実際に手を動かして修理し見て学び人と会い話をして情報を得る

学生時代の授業を思い浮かべて下さい。ひたすら暗記するよりも、課外授業や理科の実験の方が理解しやすく、楽しく学べたのではないでしょうか。

サービスエンジニアの勉強は、座り込んでひたすら勉強するより、楽しく学べます。

まとめ

私がサービスエンジニアとして3年間しか働いていなければ「サービスエンジニアはやめておけ」と言っていたことでしょう。

しかし、冷静に時代の変化を見返すとサービスエンジニアはとても快適に働ける時代になりました。

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やめとけと言われる背景とその理由時代遅れと感じる理由
プレッシャーが多い
故障時の顧客からのプレッシャーが多い。
権威性のある顧客を対応することも。
どんな仕事も結局プレッシャーはある。
プレッシャーが多いからこそ顧客から評価されるお仕事。
移動が大変できつい
車の運転が苦手な人には不向き。
移動にも事前の下調べが必要な事も。
会社が保険に入っている為、運転下手を克服したい人にはうってつけ。
スマホで移動が簡単に。
移動中は自由時間でストレスフリー。
コミュニケーション力を求められる
電話対応で食い違いが起きることも。
コールセンターがあれば負担軽減されることも 。
人柄の良さを求められる。
現代社会ではコミュニケーション能力は重要。
その能力を鍛える上ではサービスエンジニアは向いている。
技術を身につけば圧倒的に楽な仕事に。
現場はメーカーの尻拭い
規範品の品質問題はモグラ叩きになりがち。
現場の莫大な情報を正確にリアルタイムで共有出来てからは快適に。
接客する技術者は今後も重宝され、大事にされていく。
日常業務の幅が広くて量が多いのに評価されにくい
サービスエンジニアの評価は減点方式。
ITやガジェットの発展により社内部門と直接連携できる事もあり評価されやすくなった。
加算評価される機会は昔と比べて増えた。
勉強が多い
専門性が高く、幅広い勉強が必要。
どんな職種でも勉強が必要だが、経験すれば大体覚える。
実学が中心だから苦にならない。
給料が労働時間と見合わない
客先都合で時間が決まることもあり。
現代では客先も働き方改革で残業削減される様に。
作業するにも立ち会いが必要だから、時間外に点検や修理作業することは減った。
転職先で使えるスキルが身につかない
専門性が高いスキルを身につけるが。転職先で活用できるスキルが少ない。
普遍的なトラブルシュートの技術やコミュニケーションの経験は他者でも通用する。
論理的思考とコミュ力は十分武器になる。

仕事と人間関係は同じ様なもの。長い付き合いをすると悪い面ばかり目が行きがちです。時には悪い面ばかり見ず、良い面を見てみる事が長い付き合いをする秘訣です。

人間心理の特性として、幸福より不幸を感じやすい生き物。一度立ち止まり、働き始めた時期から今に至るまで変化したこと、その変化が自分に対して良くなったことをリストにする「ポジティブリスト」を作成してみても良いかもしれません。

時代変われど普遍的に必要とされ、働きやすさが年々改善されていく職業です。安心して生涯サービスエンジニアとして働けるのではないでしょうか。

見返してもイマイチ「時代遅れ」と感じない方達へ

現職の方がこれまで読んで、時代遅れと共感できない方がいらっしゃるかもしれません。もしかしたら、業界か、所属する企業が「サービスエンジニアは消耗品」と扱っている可能性があります。

私の20代の経験を詰め込んだ転職マニュアルを作成しました。所属している業界や会社に将来性を感じないのであれば、転職活動をスタートし、他の業界はどの様な世界か一度覗いてみるのも良いかもしれません。

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