【サービスエンジニアとは?】普段の仕事内容を現役が徹底解説!

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くーま

サービスエンジニアの仕事内容がいまいち想像付かない。
そんな疑問にお答えします。

エンジニアと言う職種は近年で随分耳馴染みするようになったと思いますが、サービスエンジニアと言う職種はまだまだ知名度が低い職業。どんな仕事かイメージがつきにくい仕事ではないでしょうか?

この記事ではサービスエンジニアの職業の主な役割と、具体的な仕事内容を解説しています。

現役14年のサービスエンジニアが解説しておりますので、未知の職業である不安は取り除ける様に網羅的にまとめました。

具体的なイメージが持てる様になりますので最後までご覧ください。

記事の内容

サービスエンジニアは設置、保守、修理を行う技術職

信頼関係は大事

サービスエンジニアは一言で表すと以下のような職業になります。

専門的な修理技術と、接客スキル、業界知識の3つを併せ持ち、自社製品を購入したユーザーが満足して貰うために定期メンテナンスや修理作業、保守や運用をサポートする部署。

製品を販売するのは営業の仕事ですが、販売後の製品を保守するのがサービスエンジニアの仕事。メーカーの信頼を高めるためにサービスエンジニアの役割は欠かせません。

サービスエンジニアはボランティアではない

”サービス”と言う名称が付いている以上、何もかもタダでアフターサービスを受けられるイメージがあるかもしれません。

サービスを無償提供することは”ボランティア”です。出張作業を無償提供してしまうと独占禁止法に抵触します。公正取引委員会のホームページによると以下の通り。

Q9 事業者が競争相手を排除する目的で,競争相手の取引先に対してのみ廉売をして顧客を奪ったり,競争相手と競合する地域でのみ過剰なダンピングを行うことは,独占禁止法に違反しますか。

A. 取引先や販売地域によって,商品又はサービスの対価に不当に著しい差をつけたり,その他の取引条件で不当に差別することは,不公正な取引方法(差別対価・取引条件等の差別取扱い)として禁止されています。「不当に」というのは,価格などに差を設けて積極的に競争者を市場から排除したり,取引の相手方を不利な立場に追いやったりする目的あるいは効果を伴うような場合をいいます。

公正取引委員会 ー よくある質問コーナー

また、本来ユーザーがやるべき業務(消耗品交換や日常メンテナンス)を代行する場合も無償の役務提供となり違反になります。

【参考】役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針

カスタマーエンジニア、フィールドサービスの違い

端的に言うなら名称が違えど業務に大きな違いはありません。

サービスエンジニアによく似た呼称は多くあります。以下の通り”フィールド”、”カスタマー”等のワードを2つ以上組み合わせた名称になります。

類似した名称
  • フィールドエンジニア
  • カスタマーエンジニア
  • フィールドサービス
  • カスタマーサービス

部署名から顧客にどんなイメージを顧客に与えるかによって決まります。

エンジニア

技術者に特化した部署であるアピール。

フィールド

顧客の元に出向くアピール。

カスタマー

顧客のことを優先的に考えているアピール

サービスエンジニアの重要性が高まっている

近年の機器製品の開発力は強く、ユーザーには以下の様なメリットとデメリットが生じております。

ユーザーのメリット
  • 全自動で人の手がかからない。
  • 高速で時間がかからない。
  • 多機能で高機能。
  • 直感的な操作で扱える。
  • 省スペース。
ユーザーのデメリット
  • 複雑化し、故障時の復旧が難しい。
  • 高価格で新規購入がしづらい。

近年の装置は取扱い説明書を読まずとも、直感的に操作できる様になりました。一方で内部構造が複雑化し、機械を詳しく知らない人には整備は難しい

そんな製品の整備サービスを提供するエンジニア”サービスエンジニア”です。

高度な保守や修理は他者に任せ、ユーザーは快適に装置を扱うことができるのが近年のトレンドと言えます。

サービスエンジニアの増員は信頼による利益の獲得

多くのメーカーは機能を磨いた製品の開発に尽力していますが、機能性を磨いただけの製品は売れません

製品技術の発達した一方で、内部構造に詳しくないユーザーは思った通りに動かなくなると途端にサポートが必要になります。

そんな時に現地へ駆けつけ、丁寧にサポートをすることでメーカーへの信頼性が高まり、以下の様な利益をもたらします。

信頼獲得によるメリット
  • 既存顧客がそのままリピーターになる。
  • 業界で口コミが広がり、新規顧客の獲得につながる。
  • 定期的な消耗品交換やメンテナンスにより装置が故障しにくく、継続的な売上が見込める。

顧客は製品を選ぶことを「製品」「サポート体制」を考えて選びます。この人員拡充は大きなコストになりますが、それを上回る「信頼による利益」が大きいのです。

取り扱う製品の具体例

サービスエンジニアが扱う製品の具体例です。

サービスエンジニアが扱う製品の具体例
  • 半導体製造装置
  • 梱包機器
  • OA機器(電話、コンピューター、複合コピー機)
  • 医療機器(画像診断、治療機器)
  • 食品加工機器
  • 工業金属加工機器(プレス、旋盤、NCフライス等)
  • Webアプリケーション・サーバー機器
  • 家電製品

以下の様なケースであればメーカー企業にサービスエンジニアを配備する必要はないと言えます。

サービスエンジニアの配備が不要な企業
  • アフターサービスを全てディーラーや派遣業に委託している。
  • ハンドキャリーが容易な製品。
  • 取り扱い製品が全て消耗品類

代替品の入れ替えするには出張する技術者は不要です。回収した製品を、修理工場で整備し、修理完成品と入れ替えする事で修理サービスを提供する事ができます。

企業努力によって誰もが修理サービスを提供できるように社内体制を整えるのは素晴らしい事ですが、その反面、営業さんが全て請負い、本来の営業活動が出来ないジレンマもあります。そういった企業には代替品入れ替えを担当するサービスエンジニアが配備されているケースもあります。

くーま

30〜40年前の装置は機構が簡易で、専門家ではなくとも装置の整備が可能。営業マンが装置を整備していた時代もありました。

サービスエンジニアの具体的な仕事内容

書類仕事は実のところ多い。

サービスエンジニアが行う業務として社外業務と社内業務をまとめました。それぞれを順番に解説します。

客先に訪問して行う業務
  • 機器のインストールと設置
  • 定期保守と点検
  • トラブルシューティングと緊急修理
  • 保守契約の提案活動
オフィスで行う業務
  • 整備レポート作成と伝票処理。
  • 整備用部品や消耗品の在庫管理。
  • 整備情報を品質保証部へのレポート提出。

機器のインストールと設置

新しい機器の設置と設定は、サービスエンジニアの主なタスクの一つです。具体的な作業内容は以下の通り。

  • 機器の配線接続
  • プログラミングや設定変更
  • 設置後の性能テスト

状況によっては顧客の運用方法をヒアリングし、最適な状態でセットアップすることも作業に含まれます。

定期点検と保守

サービスエンジニアは、機器が正しく動作し続けるように定期的な保守と点検を行います。具体的な作業内容は以下の通り。

  • 機器のクリーニング
  • 劣化した部品の交換
  • 作業後の性能テスト

また、製品によってはユーザーメンテナンスが推奨される製品もあり、消耗品類の交換や、清掃方法等の予防保守の適性指導が必要な製品もあります。

トラブルシューティングと緊急修理

機器に問題が発生した場合、サービスエンジニアはトラブルシューティングを行い、必要に応じて修理または部品交換を行います。

製品が複雑化した今、この役割が重要視されているのが昨今です。

整備レポート作成と伝票処理

現地での緊急修理した結果は社内へフィードバックし、作業内容は適切に保管される必要があります。

何故ならこのレポートは設計開発者にとっては重要な役割を持ちますし、経理担当者も重要になるからです。

設計開発部門が閲覧する重要性

修理レポートを設計開発者が閲覧して分析し、次期製品開発へ役立てることも期待されます。

  • 部品の耐久性評価
  • ユーザーの使用頻度や傾向
  • エラー内容の分析や機能改善
経理部門が閲覧する重要性

企業としては修理による適正な売り上げ処理を行わなければ法令違反になりますので、作成されたレポートに従い、適正に処理する必要があります。

  • 使用された部品の集計及び在庫処理
  • 作業時間、移動時間、使用部品の適切な計上
  • 適切な売り上げ処理及び請求業務

整備用部品や消耗品の在庫管理

製品を修理する以上、修理に部品を使用します。しかし、この修理部品は企業としての扱いは資産。企業の財務上は適切に資産管理しなければなりません

どの部品を使用し、どの部品を長期的に使わなかったかを適切に管理する年に1度棚卸しを実施する必要があります

サービスエンジニアに向いてる人とは?

サービスエンジニアは誰でもできる仕事。

これまでの内容から、「専門的な知識が必要では・・・?」と思われる事でしょう。しかし、実のところファーストステップは無く、経験を掴めば誰でもできます。

医療機器に関して言えば、代表者が「医療機器修理業」の資格を持っていれば資格不要で誰でもできます。

過去の同僚には指先が不器用な人、文系の大学を出た人等様々な人が活躍してます。

女性のサービスエンジニアも増えてきている

作業着を着て、工具を手に持って作業するとなると男性の仕事のイメージが強いです。しかし、最近では女性のサービスエンジニアも見かける様になりました

特に医療機器においては整備後に動作に問題ないか、医療行為の立ち合いをする事がありますが、婦人科や産婦人科にて使用する医療機器であるなら、女性でなければ立ち合いが難しい事もあります。

女性のサービスエンジニアは珍しい事もあり、顧客に印象深く残り、名前も覚えられやすい事があります。

実際の仕事はきつい?底辺の仕事?無知ならやめとけ?

サービスエンジニアにもきついことはあります。

作業着を着て現場で出張作業をするわけですから、泥臭いイメージがつきまといます。

こんなイメージをお持ちではありませんか。
  • 上量物を扱って大変そう。
  • 出張して作業する仕事だから大変そう。
  • 営業や開発の下働き。

出張し、客先で修理作業もするのできついと感じる事があります。

しかし、実際働いているとその様なイメージは徐々に無くなり、むしろ快適に働けます。

未経験でも大手のホワイト企業の求人を狙える?

サービスエンジニアを修理技術、接客スキルを計る資格はありません。

そのため、高年収の企業や、安定性のある大手企業に入るには履歴書上の所属していた企業ブランド経験年数、面接による対人能力の評価しかありません。結果的に大手企業に張り込みやすい要素の一つとなっております。

前述した通り、働いているイメージとしても底辺なイメージがつきまといますから、人気があまり無い穴場の様な仕事であることもポイントです。

楽しいし、やりがいも多い!

私自身、前述した通りこの仕事へ不満が溜まり、一度辞めました。

自身のキャリアアップのために設計開発のエンジニアになりたく退職したのです。

しかし、一度辞めてから後悔しました。

サービスエンジニアとして外働きだからこその楽しさ、接客の楽しさが恋しくなったからです。

だっと

一度離れてから気づく良さってありますよね・・・
今はサービスエンジニアとして働いていますが、このまま生涯現役でサービスエンジニアとして働いていくつもりです。

まとめ

サービスエンジニアは時代の変化と共に、求められている職業です。

サービスエンジニアとは
  • 信用獲得による利益が大きいので予算度外視で拡充される職種。
  • メーカーにおいて例えるなら営業がオフェンス、サービスエンジニアがディフェンス。
  • 整備のスペシャリストはメーカーとして大きな武器になる。
  • 実際に動いている装置から情報を得られる社内/社外に貴重な存在。
  • 機械に疎い人でも働いている。

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